2015年12月20日日曜日

ゼアズ・オールウェイズ・ミー / THERE'S ALWAYS ME




ゼアズ・オールウェイズ・ミー
  / THERE'S ALWAYS ME  


夜の帳が降りて
だれかと電話で
お喋りしたい時
いつも僕がいる

君が恋に破れて
友達が恋しい時
たとえ恋人でなくとも
いつも僕がいる

ちっとも構わないさ
脇役でいることなど
いつか、僕が必要になる

その日がきたら
この腕の中で教えてあげる
出会いと別れをくり返した君に
僕のこの愛は
永遠だと

君の回りを見渡せば
いつも僕がいる

録りおろしのロイヤル・フィルハーモニーの演奏をバックに、エルヴィスのヴォーカル・パフォーマンスがフィーチャーされた、豪華サウンドを聴かせる夢のようなアルバム『イフ・アイ・キャン・ドリーム:エルヴィス・プレスリー・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』に収録された<ゼアズ・オールウェイズ・ミー>は日本国内では、もともとは<この愛をいつまでも>のでリリースされたラブソング。



詩がいい、エルヴィス得意の一歩引いてそっと見守る恋歌。
代表的な大傑作<愛しているのに>や、エルヴィスが70年代にカヴァーした<明日に架ける橋>につながる「この心いつまでも」。聴く人はいまでもその心の哭く。

<この愛をいつまでも/ゼアズ・オールウェイズ・ミー>のいいのは、ゼアズ・オールウェイズ・ミー、いつでもそばにいる心。
 
♪ 君が恋に破れて
  友達が恋しい時
  たとえ恋人でなくとも
  いつも僕がいる  ♪


ここにあるのは我慢ではない。
励ましだ。

素朴な励ましに、エルヴィスの声が似合う。それが胸を打つ。
 
「おもしろい人が好き」と女性はいう。
でもその本当は、いっしょに笑ってくれる人のこと、別におもしろいことをいうことでない。
 
一緒に泣き喜び、人生を分かち合ってくれる人。

その向こうにはいつも励ましがある。
励ましこそが、愛の本体だ。
エルヴィスの声は励ましだ。
励ましを必要としていたエルヴィス少年のイノセンスが光るバラードだ。


THERE'S ALWAYS ME
When the evening shadows fall
And you're wondering who to call
For a little company
There's always me

If your great romance should end
And you're lonesome for a friend
Darling, you need never me
There's always me

I don't seem to m!nd somehow
Playing second fiddle now
Someday yau'll want me, dear
And when thot day is here

Within my arms you'll come to know
Other loves may came and go
But my love for you wili be
Eternally

Look around and you will see
There's always me 


2015年5月27日水曜日

THE LOVE MACHINE / 恋のルーレット



THE LOVE MACHINE / 恋のルーレット 
1967年公開のエルヴィス・プレスリー主演映画『GO!GO!GO!(邦題)』から <恋のルーレット>

<恋のルーレット/ THE LOVE MACHINE> 
寄っといで、こちらは恋のルーレット
運がよけりゃ夢も叶っちゃう
回れよ回れ、グルグルと
まだ見ぬ恋人だって当たるかも
スージー、いや、メイベリン
キャシー、それともアンジェリン

回れよ回れ、グルグルと
恋のルーレットで運だめし

* 俺たちゃただの水兵さ
みんなの望み
は一つだけ
このルーレットに運を賭け
素敵な恋を手に入れること
ノッポかそれともおチビさん
ポッチャリ目の娘かも知れないけど
幸運の女神よ、どうかお願いです
スリ一サイズが90、60、88の娘が当りますように

** さあさあ、お次はだれの番
時問がもったいないからね
回れよ回れ、グルグルと
恋のルーレットでの運命はいかに

* くり返し

**アドリブでくり返し


恋のルーレットでの運命はいかに  
(川越由佳氏 翻訳)


エルヴィス・プレスリーの魅力がポップなリズムに乗って響く。 
単純な映画にふさわしいお手軽な楽曲であっても、
ベトナム以前の保守的な時代のハリウッドを駆け抜けながら、
エルヴィスはいつだって悲しく、そして陽気だ。

それがすごい。 
作品そのものへ満足を感じることがなかったにしても、
エルヴィス・プレスリーのまなざしはどこか遠い。
 
♪ 回れよ回れ、グルグルと 
歌より儚い歌声が、B級の空気を変えて身震い脳震い 
♪ 俺たちゃただの水兵さ
みんなの望みは一つだけ ♪
 
どんなに名声と財産を得ても心は心 

step right up to the love machine
You may get luoky, win yourself a dream
Let the wheel go round, round and round
You may wfn that girl you never found 

Let the wheel go round* round and round
Try your luck right now on the love machine

We're just a bunch of salty sailors
One thing on our minds 
 
Takin a ohance on this machine
Maybe love we'll find
She may be tall, she may be short
She may be wide
But Ladv Luok, stop that wheel
On 38-24-35

* * Step up, who's next in line
This love machine don't weste no time
Let the wheel go round, round and round
What will your fortune be on the love machine 

* REPEAT

* * REPEAT WITH ADLIB

What wiil your fortune be on the love machine 



♪ On 38-24-35 ♪
 
 
女性の3サイズにこだわりながらのアホソングにも、しっかり エルヴィス・プレスリーは エルヴィス・プレスリーをしている。 

* 俺たちゃただの水兵さ
みんなの望みは一つだけ
 
We're just a bunch of salty sailors
One thing on our minds 




1966年10月には共同作戦中の米軍と韓国軍が、ベトナム市民の結婚の行列を襲撃し、花嫁を含め7人の女性を強姦し、宝石を奪い、3人の女性を川の中へ投げ込む暴行事件が発生。その後、メコン川流域で19人の少女の遺骸が発見されるという事件が起こっていた。この報道を受け国内では反戦運動が激しさを増していた。

エルヴィス・プレスリーは政治と一線を画して、娯楽に徹していた。

戦争なんかクソくらえ。(笑)
  
俺はただの人間さ 
だから、俺の望みはただひとつ、心のふれあいさ
そう聴こえる切なさが愛しくなる<恋のルーレット> 
かっては煌めいていた黄金のハリウッドも危機に瀕していた。大物プロデューサー、ハル・B・ウォリスも精彩を欠き、エルヴィスを使い捨てにすることを決めたように思える。 

この時期、日本最古の映画会社、日活も、石原裕次郎、小林旭、吉永小百合らの作品を制作しなくなっていた。老舗がなにふり構わずロマンポルノ路線に全面切り替えたのは71年だった。邦画で集客できていたのは東映だけだった。高倉健さんが 、観客を熱狂させていた。つまり、その裏で東映を支えてきた時代劇の俳優たちが続々と解雇されていた。

年季の入ったエルヴィスファンでさえ、映画館に背を向け出していた。

・・・エルヴィスは、苛立ちながらも、黙して語らず、淡々と10年前に交わした契約をクリアしていく、 エルヴィスが受けた2度目の残酷物語が展開されていた。

支払った代償は大きく、自身を傷つけるしかなかった。エルヴィスはストレスで老けていった。ひとり、すべてを胸におさめて。

テレビがハリウッドを破壊するが、テレビがエルヴィスを救う日を求めていた。エルヴィスは知らなかったが、世界が回っていることを暗示するかのように歌っていた。
♪ 回れよ回れ、グルグルと
恋のルーレットで運だめし ♪

♪ 恋がいい、ボグは恋がいい ♪
エルヴィス・プレスリーがどこまでもいい。

異議なしーッ!!

♪ We're just a bunch of salty sailors
One thing on our minds ♪
 
最近は・・・
こんな声を聴いたことがないねえ~ッ!
みなさん!


♪ 回れよ回れ、グルグルと
 

近頃、回っているのは、心か、欲望か、金か????
エルヴィス・プレスリーが回しているのは純真です。 
だから、ドーナツ盤はドーナツよりおいしい。エルヴィス・プレスリーの純真に潜む悲しみが、ひとときの清涼剤として、
思い切り響きます。


♪ We're just a bunch of salty sailors
One thing on our minds ♪


2010年6月10日木曜日

この愛をいつまでも/THERE'S ALWAYS ME


この愛をいつまでも (ゼアズ・オールウェイズ・ミー) /THERE'S ALWAYS ME


 1967年。<この愛をいつまでも>でシングルリリースされた<THERE'S ALWAYS ME>は、いまでは、原題そのままに<ゼアズ・オールウェイズ・ミー>とカタカナにしているようだ。

 <この愛をいつまでも>の方がなじみがいい。聞いただけで分かる内容で、そのままリスナーを裏切らない。あまりにも意外性がなく単調に聞こえるが、時間も短く、バラードらしいバラードのいい歌だ。
 50年代中盤、エルヴィスの若々しく、荒々しい刹那さは陰を潜めたが、誠実さが前面に出ている。


夜の帳が降りて
だれかと電話で
お喋りしたい時
いつも僕がいる

君が恋に破れて
友達が恋しい時
たとえ恋人でなくとも
いつも僕がいる

ちっとも構わないさ
脇役でいることなど
いつか、僕が必要になる

その日がきたら
この腕の中で教えてあげる
出会いと別れをくり返した君に
僕のこの愛は
永遠だと

君の回りを見渡せば
いつも僕がいる


詩がいい、エルヴィス・プレスリーらしく一歩引いてそっと見守る恋歌。大傑作<愛しているのに>や、エルヴィスが70年代にカヴァーした<明日に架ける橋>につながる「この心いつまでも」。聴く人はいまでもその心の哭く。

♪ ゼアズ・オールウェイズ・ミー、いつでもそばにいる心。

♪ 君が恋に破れて
  友達が恋しい時
  たとえ恋人でなくとも
  いつも僕がいる  ♪


 我慢ではない。励ましだ。

 素朴な励ましに、エルヴィスの声が似合う。それが胸を打つ。
 「おもしろい人が好き」と女性はいう。
 でもその本当は、いっしょに笑ってくれる人のこと、別におもしろいことをいうことでない、一緒に泣き喜び、人生を分かち合ってくれる人。

 その向こうにはいつも励ましがある。励ましこそ愛の本体だ


 THERE'S ALWAYS ME

When the evening shadows fall
And you're wondering who to call
For a little company
There's always me

If your great romance should end
And you're lonesome for a friend
Darling, you need never me
There's always me

I don't seem to mind somehow
Playing second fiddle now
Someday you'll want me, dear
And when that day is here

Within my arms you'll come to know
Other loves may came and go
But my love for you will be
Eternally

Look around and you will see
There's always me

2010年4月22日木曜日

ゴー!ゴー!ゴー!


ゴー!ゴー!ゴー!

ハル・B・ウォリスが指揮をとってきたパラマウント映画のエルヴィス・プレスリー主演映画は一貫して、サブ・カル・キング、エルヴィスをバ~ンと前面に押し出し、そのままハワイやアカプルコ、あるいは軍隊に投げ込んで、エルヴィス・プレスリーあるいはロックンロールという若者文化のそれらを切り取ってみせるもので、絶対的な主役を期待され、それに応えてきた。それが”エルヴィス映画”のたまらない豪華絢爛の醍醐味であり、エルヴィス映画というジャンルを成立させている条件なのだ。それを築いたのがハル・ウォリス・プロダクションの作品だ。

しかし、1966年製作の『GO! GO! GO!/ゴー!ゴー!ゴー!』では異変が起こったのだ。本作ではエルヴィスは「作品の出来栄え予測」をめぐって監督ジョン・リッチと口論に至っているのだ。ジョン・リッチとは『青春カーニバル』でも協働した間柄。エルヴィスは自分の責任、つまりハル・B・ウォリスの願いを全うすることに燃えていたのだ。その意欲はバラエティ誌などで「エルヴィスは巧い役者だ」という称賛で掲載されている。エルヴィス・プレスリーは好調だったのだ。


ヒッピー、コミューン、前衛アート、フラワー・ムーヴェント、サマー・オブ・ラブ・・・。公民権運動からベトナム戦争へのうねりに端を発したカウンター・カルチャーと、その風を受けてとんがっているガール、ガール、ガール・・・いままでとんがっていたのはエルヴィスだったのが、なんと入れ替わっているではないか!

エルヴィス映画に出てくる定番の脇役である金持ちのバカ娘ではない、我が道を往く突っ張りガールの出現なのだ。おかげでエルヴィスは『青春カーニバル』や『ガール!ガール!ガール!』でのとんがり返上している。
海洋アドベンチャーという形をとりながらも、人間のバカさの対決がこの映画の魅力である。

21世紀のいまや死に体となったサブ・カルチャーの概念は50年代にロックンロール、ビート族、黒人など、小集団、マイノリティーの特有の文化が社会的な階層とリンクしたところからマス・カルチャーを上位、サブ・カルチャーを下位文化としてとらえたもの。
エルヴィスはサブカルチャーの先駆者であり、当時真新しいマーケティング用語であったティーンエージャーという概念とともに、サブカルがサブカルとして光り輝き、その使命を真実全うしたもっとも素晴らしい事例である。
一方、カウンター・カルチャーはマスへの対抗文化だが、いまではサブカルチャーの1要素である世代間対立と合流してサブカルと同義語になってしまった。その微妙な波間に泳ぐエルヴィスが本作では楽しく、エルヴィスの「サブカルト映画」として奇妙な一本なのだ。

ジェリー・ルイス、ディーン・マーティンの底抜けシリーズの生みの親であるハル・B・ウォリスは昔ながらの大衆文化を脅かす新興カルチャーに遂に面倒くさくなって、気楽にいこうぜとばかりに、エルヴィスごと海へ投げ込んでしまったのかと思うのだが、どっこい沈んでたまるかとペンギンと間違えるほどのエルヴィスの頑張りに、「沈まないよね。キッキッキィ」と深夜にビデオ見ながらひとりこっそり喜んでいる次第なのだ。

ハル・B・ウォリスの願いは達成しますぜと走るエルヴィスだが、エルヴィス陣営は楽曲でエルヴィス・プレスリーをバックアップ。もうほとんど高田純次化してしまったエルヴィスのすごさは反戦を超えて無戦状態、天晴れ、無敵。

ダルマも驚く<ヨガ修行>、水兵さんの興味はスリーサイズだけとやってしまう<恋のルーレット>"Sing You Children" フラワー・チルドレンも青ざめる<みんなも歌おう>、"I'll Take Love" 取るならなにより恋、ベトナム戦争をアッチのおいて決定的な<恋がいい>・・・みんなまとめて<気楽にいこうぜ/Easy Come , Easy Go>。

1966年9月12日のクランクイン。
なにしろアメリカがカンボジア侵攻した後だ。国内では、白人若年層のモラル低下が著しく、ハイウェイと共に成長して来たアメリカのシンボルともいえるロードサイド・ビジネスの典型であるドライブ・インが相次いで閉鎖に追い込まれるほど治安が悪くなり、ベトナム派遣拒否兵裁判、黒人暴動など暗雲が覆っていた。中国では文化大革命が起こった。

公開オープニングは反戦デモが全米各地に吹き荒れる67年3月22日だった。
その最中にこれですから、『GO! GO! GO!/ゴー!ゴー!ゴー!』・・・これほど過激な反戦活動はないカモ~ン!?これがブッシュ政権だったらグレイスランドにミサイル撃ち込まれたカモ~ン!?

気楽にいこうぜ

得やすいものは失いやすい
どこもかしこもそこらじゅう
あたりはいかれた愛だらけ
夜の、mmm,夜のとばりがおりる

どこの港にも溢れる娘たち
だけどすべてはおまえさん次第
グズグズしてたらとっ捕まるぜ
Oh year,oh yeah

*得やすいものは失いやすい
北も南もそこらじゅう
町から町ヘキッスの嵐
おいしいよ、mmm,栄養満点
気をつけな、あせらずにそうさ、
得やすいものは失いやすい

女の子をひっかけたい時は
なんと言っても軍服か一番
どんな嵐もへっちゃらだい
あの娘からの風当たりが強くとも

*くり返し

気をつけなよ、あせらずに
そうさ、得やすいものは失いやすい

得やすいものは失いやすい
得やすいものは失いやすい
得やすいものは失いやすい

得やすいものは失いやすい
得やすいものは失いやすい

Easy Come , Easy Goの意味は「悪銭身につかず。」